緊急事態宣言が解除され、世の中が沸き立つ中、
まだまだ、明日が見えない不安の空気が社会を取り巻いています。
「空気」という言葉が世の多くを説明する時代が来た、と感じます。

本とITを研究する会でもこれを機に本格的にZOOMによるWebセミナーを
開催するようになりました。
いままでになかったコミュニケーション形態に新しい可能性を見出しています。
こうした出会いが新しい発見と仕事を生み出すきっかけになれたらと、
こつこつとWebセミナーを仕込んでおります。

随時告知しますので、一人でも多くの方にご参加いただきたいです。


●今月のブログ

5月29日(金)新時代の受容と戦いを「差別」から扱った不朽の名作:『破戒』(島崎藤村 著)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/29/173533

5月26日(火)コロナと「変わる」ということ
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/26/123453

5月16日(土)『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで
~社会変革と「壁」そして自由の本質(後編)~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/15/144933

5月14日(木)『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで
~社会変革と「壁」そして自由の本質(前編)~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/14/183910

5月5日(火)読書会の記録:『方丈記私記』(堀田善衛 著)
~激動の時代に「文化」を冷静に直視した作家の肖像~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/05/125510

5月1日(金)いま考える、生存のインフラ「文化」について
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/05/01/233722


●今月の雑感:テレワークは、地方分権の起爆剤に
新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入した企業が急激に増えた。

これにより、対面でも電話でもない、独特のコミュニケーション形態を味わってしまった人たちが急増した。

私もたびたびオンライン会議やWebセミナーを実施したが、
なんともいえない距離感(目前に顔が見えるのに人の気配がない)は、
言語化困難ないままでにないコミュニケーション形態、ともいえる。

▲人は分散し、意識はつながる
ニュース番組で、ある作家さんが、
「これからは多くの人たちと離れてつながっている感覚を持った個人が増える」
ということを言っていた。
地方で一人で仕事をする人たちも、独居老人も、専業主婦も、
ネットを通じて気持ちがつながり、意識の共同体ができ上っている、
という状態なのだろう。

テレワークはこうして、私たちの内面を大きく書き換えている。
この内面の変化から第一に現れてきたものは「会社に行かなくてもいい!」
という従業員の安心感だった。
その一方で、「目前にいない部下をどう評価するのか?」という管理職の不安感である。

目前にいない部下への人事評価は、「成果主義」に尽きる。
「会社勤めなのになぜ成果が問われるのだ」と、成果主義評価に慣れない人たちの働き方への意識は、根底から覆される。働き方改革の本質である。

企業にテレワークが導入されることで、
スマートフォン一つで従業員の自宅は営業所になる。
地方都市や過疎地帯、海岸や山の中、リゾート地、などなど、
全国津々浦々に営業所が点在する。

本社に集中していた労働が、
テレワークにより「地方で本社勤務」というスタイルが当たり前になる。

これはなにを意味するのだろうか。
つまり、地方分権型社会、である。

▲密集が好ましくない状況が生み出した分散社会企業のリソースが首都から全国に分散する。
これにより、今度は地方に貨幣が分散される。
貨幣が分散されれば、権力が分散される。
企業に導入されたテレークは、地方分権型社会へとつながっていく。
そしてひいては、日本の道州制という国家形態を作り上げる土台になる。
海外の連邦制国家とは異なった、日本式の幕藩体制をブレンドした、独自の道州制国家ができるのではないかと想像している。

いまの時代、一つの大きなものが万人を牛耳ることは向いていない。
そして、人が密集することも好ましくない。
好ましいのは、分散である。

高度なIT化でなんでも小型化し、ネットワーク化したいま、
地方分散型社会の実現は、決して夢物語ではない。

コロナがもたらしたテレワークの普及から鮮明に見えてきた、一つの明日である。

* * *

今後もさまざまな学びと問題解決の場を設けていきます。
状況の変化は、随時DoorkeeperやFacebookなどでお伝えします。
ぜひチェックしていただけたら嬉しいです。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今月も皆様にとって、不安ない明日を迎える一か月でありますように!

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