近頃は、「絵本」が大人に売れていると方々で伝えられています。
本に接する可処分時間が減っていく中、ビジュアルとともにより短く、わかりやすく、本質を知り、自分なりに物事を納得する材料として、絵本が大人の読者に受け入れられているのかもしれません。
その意味でもまだまだ、本からパワーは失われていないと言えます。

そんな本が持つパワーを音楽と共にお届けしようというイベントを、2025年2月16日に都内で開催します。
音楽家であり、書物への造詣が深い髙橋望さんをお迎えし、本にまつわるトークとピアノ演奏をお届けします。
以前からこのようなイベントの構想はあったのですが、COVID-19で開催が困難になり、ようやく昨年2024年に第1回目を開催することができました。
予想以上に好評で、言語や数式といった文字で表せないものを楽譜に託した作曲家の作品を奏で、文字でできた本を語るというイベント内容が、参加者たちに他では得難い感覚や印象をを与えたのでしょう。
私もこの場を楽しませていただきました。

●今月のブログ
好評イベント「ピアニスト髙橋望による ブックトークと音楽」、2025年2月16日(日)に開催
https://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2025/01/25/100951

株式会社ツークンフト・ワークスは、創業8年目を迎えました。
https://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2025/01/11/000000


●今月の雑感:読書会は「怪しい」のか?
先日、読書会メンバーの友人から次のようなことを耳にした。
人に読書会の話をすると、「怪しい集まり」「壺を売りつけられるのではないか」という声が上がってくるという。
1980年代、「セミナー」や「勉強会」と称してさまざまな勧誘が行われた。
そこにはマルチ販売や少なからずカルト宗教団体も存在した。
その名残があるのかといささか驚いたが、これこそ現実なのではとも感じた。もしかしたら、こうした怪しげで反社会的な勧誘に、読書会という手段がいまでもひそかに利用されているのかもしれない。
とくに、いまのようなデジタル社会、読書会といったアナログに人が流れていく傾向にある。
人の流れの裏には犯罪や不正が必ず付きまとう。

▲錯覚と自己選択の境界には揺らぎがある
昔から、読書会の一派生である聖書研究会や、集団で同一体験を共有するヨガサークルは、マルチ販売やカルト宗教勧誘の温床だった。
聖書は読む人に歴史と物語が考えと生き方を提示し、ヨガは呼吸を整え心身の瞑想や非言語的な身体体験をもたらしてくれる。
いずれも素晴らしいものである。
しかしこうした素晴らしさは、あくまでも自分から選択して取りに行くものである。
決して、与えられたり、ましてや強要されるものではない。
カルト宗教や入金勧誘の共通手口は、「自分から選択して取りに行った」と錯覚させるところにある。
強制された、やらさせたとは決して思わせない。
深いところでは、ビジネスと共通の原理が採用されているともいえる。

▲読書会で、個人の本質を磨き、自由に楽しむ
世の中は激しく動いている。適度な揺らぎはゆりかごのようで心地よい。
しかし、揺れが激しくなると耐え難く不安になり、判断力が低下する。
人は判断力が低下すると課題を手っ取り早く解消しようと、いろいろなものに手を出す。
それが重症だと、投資詐欺や闇バイトに引っかかったりする。
このように、課題を手っ取り早く解消しようとする「付け焼き刃」が流行る。
私たちが運営する読書会は、壷も売らないしマルチ販売への入会も強要しない。
冷静に考えれば、反社会的なことはやっても割に合わないし、そもそも利潤が求められる営利団体でもない。
読書会とは本来、付け焼き刃の真逆である。
作品から出てきた作者のメンタルの状態や変化を個人が感じ、メンバーとの間で意見を交わし、個人が手にした発見や体験を他者と共有する。
個人の考えと生き方を磨いて得られる実益と共に、時間の流れを共に味わう場である。

▲コントロールの強度に依存する「怪しさ」の境界
読書会において、相手の発言や考えに対する「コントロール」が入った瞬間から、その場は読書会ではなく、怪しげで反社会的な勧誘の場になる可能性が高まる。
そうなると壺の販売も可能になるし、高額サブスクやマルチ販売への入会誘導もできてしまう。
コントロールの代表的なものとしては、語彙や書名、数字などの暗記力の多寡や思考の傾向を、「勉強不足だ」などと他のメンバーが参加者を指弾する行為があげられる。
「先生」のいる読書会もある。人が集まる場の運営にコントロール無しは難しい。
ゆるやかなお約束から自己批判の強要まで、コントロールの強さに強弱は必ずある。
読書会を評価するのに、この「強度」を指標にしてみる基準もあるだろう。
ちなみに、私たちが運営する読書会には3つのゆるいお約束が以下設けられている。

「うんちく禁止」「評論禁止」「他者否定禁止」

一見ゆるそうなお約束。しかし、なかなか遵守が難しい。
厳しいお約束である。

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心働く、気持ちの良い明日が見えますように!

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