総裁選では与党に波乱があり、日本初の女性首領が誕生しようとしています。
世界に目を向けてもアメリカを中心に世界は揺らぎ続けています。
シカゴではトランプ大統領を独裁者とし20万人の市民がデモが行われています。多民族の市民が主権を持つ民主主義国家アメリカの象徴的な光景です。
ライフスタイルから思考、立場、趣味まで、個人の人権を守る民主主義を発明した人類は尊いし、それを国家として保障しているのも尊いです。
こうした他国の動きは、同じ民主主義国家である日本にとって、決して対岸の火事ではありません。
動きを直視しながら、主権を持った一市民として、ITと切っても切り離せない関係にある民主主義とは何なのか、自問自答しつつ、意思決定をしてまいります。

●今月のブログ
読みました:『ドストエフスキーの詩学』(ミハイル・バフチン著)
~純粋に楽しめるドストエフスキー論の傑作~
https://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2025/10/05/114657

●今月の雑感
エネルギーを与える人間のタイプとは?
人間にはいろいろなタイプがある。
欧米のような宗教や言語、人種が入り乱れた状態の地続き環境にいない日本人は、人間のタイプ分けが好きだ。
1980年代に血液型占いが流行ったのもその一つ。ユングのタイプ論を日本人流に解釈して「あなたは~タイプ」のような人格診断も定番である。
いままで、仕事やプライベートでいろいろなタイプの人たちと出会ってきた。話していて面白く学ぶところが多く、私にとってエネルギーを与える人間に特定のタイプがあることに気づいた。
エネルギーを与える人間のタイプという、ポジティブな人間性には誰もが憧れる。こうした人間性は、他人にポジティブな影響を与えるばかりではなく、自らの人生においても手にできるチャンスは格段と多い。
極端なポジティブ(楽観主義)は、自他にいろいろな悪影響をおよぼすこともある。ゆえに、物事を精査する批判的な態度とのバランスが重要である。
このタイプの人たちを人格ではなく、職業や活動内容によって分類してみた。
するとこの人たちは、プログラマー、デザイナー、音楽家、起業家という、大きく分けて4つに属していた。

これらをふまえた上で、以下では、エネルギーを与えるタイプの4属性についてまとめてみる。

▲エネルギーを与える人の特長
まず、プログラマーとデザイナーについて。この人たちは物を作り、顧客の満足を満たすための活動をしている。そのためには学びを怠らない。
プログラマーは参考図書やWebサイト、他人が書いたソースコードを読み漁る。経営や会計、法務を学習している人もいる。
デザイナーも、さまざまな文献やデザイン、ときには歴史やアートにアクセスし、アウトプットの質を高めようと、好奇心と共にインプットを増やし、心を働かせている。
音楽家や起業家も同様である。楽曲や演奏、事業を作り、受け手(顧客)の満足を満たすための活動を行っている。音楽を聴いたり演奏旅行で世界中に足を運んだり、各国から音源を入手したり、さまざまな本を読むことで楽曲や演奏に深みを与える。事業のアイデアとなる素材を、顧客や従業員との対話、書籍やWebによる情報収集に時間を惜しまない。時間に制約がある彼らは、いわば走りながら学んでいる。
プログラマーやデザイナーは、基本お題を受け取っている。なにを実現したいプログラムなのか、どういった人に届けるデザインなのかといったお題である。
一方で音楽家や起業家にも、楽譜やテーマ、ビジョン・ミッションがあったり、どんな事業を立ち上げるのかという課題が与えられる場合がある。ゼロから自由に作曲したり起業する人ももちろんいる。実際には、「お題」という無理難題を与えられたり、「ゼロから自由」とはいうものの、厳しい失敗を受け入れ、成果が出るまで何度も粘り強く挑むという、過酷な試練もその背景にはある。

エネルギーを与える人間のタイプを、上記の4属性から導き出そうとしてみたが、必ずしもこの属性にあればポジティブな人間性であるとは言い切れない。過酷な試練で心身に支障をきたしたり、活動を中断してしまう人も少なくない。
しかし経験上、エネルギーを与える人間のタイプの4属性に、共通して言えることがある。それは、過酷な試練を一つの「ゲーム」としてとらえているのである。この人たちは、過酷な試練をゲームとして距離を置いて楽しむことで、健全な心身を保っているのだ。これにより、ポジティブな人間性と、楽観主義に陥らない理性的な判断力を保っている。

▲エネルギーを与えることを意識する
プログラマー、デザイナー、音楽家、起業家という4つの属性から、エネルギーを与える人間のタイプを見てきた。一口に「エネルギーを与える」と言うが、これは大変なことである。
なぜなら、心に自由なゆとりがないと、与えることができないからだ。
健康な人間の誰もが自由に持っているものが、時間である。
たとえば企業に勤める人は、事業体に自分の時間を買ってもらうことで、賃金を得ている(ゆえに残業や時給の概念がある)。従業員の努力という基本前提があるとはいえ、顧客に満足を買ってもらえるかどうかの責任は、最終的には経営者にある。

上記4つの属性の人たちが持つエネルギーの本質は、なんだろうか。
自分の時間だけではなく、顧客や受け手に「責任をもって直接エネルギーを与える」ことにあるからではないだろうか。
リスクとテイクとはよく言うが、与える人の多くは、リスクも取っている。リスクから生じた過酷な試練も同時に受け取っている。
リスクを取ればよい、ということを言っているのではない。要は、受け身である状態(テイクの状態)が大きければ大きいほど、その状態が生活習慣化し、エネルギーを与える思考から離れていくのだ。
プログラマー、デザイナー、音楽家、起業家という4つの属性を、必ずしも本職にする必要はない。企業で生き生きと働き、本職を楽しんでいる人は多い。
しかしいまでは、組織内での副業も認められることが増えている。プログラミング、デザイン、音楽、起業、といったことも、いまの生活を守りながら手がけることは事実上可能である。

▲AIは人間にエネルギーを与えるか?
どんな職に就いている人にも、「エネルギーを与える」ことの要求は日々高まっている。
理由は、生成AIにある。
生成AIは、さまざまなアウトプットを、文句も言わず24時間休みなく続ける。なにか質問をすれば素直に返答してくれるし、時には励ましの言葉さえ与えてくれる。これは一つの「エネルギーを与える」、である。自動で、無給で機械が提供してくれるのだ。
プログラミングからデザイン、作曲から起業アイデア出しまで、生成AIは人間に代わってやってくれる。そしてその精度は、日々高まっている。
以前は、「コンピュータにチェスはできても将棋は無理だ」と言われてきた。しかしいまはそうではない。さらに遡ると、「仕事にパソコンを使うなんて無理だ」と言われてきた。しかしいまでは、言わずもがなである。
プログラミングやデザイン、作曲や起業アイデアも、少し前までは「コンピュータには無理だ」と言われてきた。明日にはどう進化するかわからない。
少なくとも、人間が行う相当の活動領域が日々代替されることになる。

▲AI時代の「新しい脳トレ」が必要
いま、人間にしかできないことはなにか?
それは、「エネルギーを与える」ことではないだろうか。人間が与えるエネルギーとは、行動や言葉である。そして背後には必ず、人間が紡ぎ出した物語がある。
産業革命以来、車や重機など、人間の負担を軽減する機械が発達してきた。これに伴い、人間に筋肉を使う機会が減ってきた。
そこに登場した人間のアクティビティは、筋トレである。
ボディビルダーやアスリートでない一般人でも、いまでは人は日常で筋トレをする。
同様に、生成AIが人間の思考を代替し、ついに「エネルギーを与える」をも代替するようになってきたいま、私たちがすべきは、新しい時代の脳トレではないだろうか。では、新しい時代の脳トレとして、これからはどんな行動が
求められるのだろうか。
これまでの脳トレのような、「1人に閉じたもの」ではないだろう。他人との関係性に焦点があてられるはずだ。生成AIの時代に即した新しい脳トレはなにか、これからも検証していきたい。


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