「本とITを研究する会」メンバーの皆様へ

お世話になっております。

この一か月、皆様においてお変わりないことを祈っております。
まずは、お知らせからです。

●お知らせ
9月20日(木)、「『ステップバイステップで力がつく Googleアシスタントアプリ開発入門』発売記念ハンズオン ~AI会話機能アプリを作ってみよう!~」と題し、第12回 本とITを研究する会セミナーを開催します。

【Doorkeeper登録サイト】 https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/79316

いま話題の、AI会話機能を持ったスマートスピーカー向けアプリ作りを学びます。
アプリ開発経験が豊富な著者陣の手引きのもとで、オリジナルアプリをJavaScriptで作ってみましょう。

ハンズオン終了後は、お酒と軽食を楽しむMeetUpを開催します。
歓談や名刺交換など、語り合いの場を共有できたらと思います。
MeetUpの際には、書籍やハードウェアなどのプレゼント会も実施いたします。

登壇者共々、会場でお目にかかれることを楽しみにしております。

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8月は「AI自動運転で書き換わる 業界のルールと法規制」というハードなテーマを取り上げたり、「AI時代の子供の人生を豊かにする、プログラミング教育のチカラ」をテーマに2020年に必修化される子供のIT教育を取り上げたりなど、さまざまな話題に取り組んでまいりました。いずれも当日は満員御礼で、自動運転やIT教育が生活や知識のインフラを急激に書き換えていく現実への関心の高さがうかがえました。第3次AIブームの波は、日々着々と私たちの生活や意識を書き換えていると実感します。

また、コミュニティが立ち上がって丸一年というターニングポイントを迎え、活動内容を見直す時期に来ていることもつくづく感じた次第です。「本とITを研究する会」の果たすべきお役目や、コミュニティに与えられる価値を、落ち着いて考えていく時期です。この点ではまた皆様のお知恵を拝借できたらとも思っております。

では、「今月のブログ」「今月の雑感」をお伝えします。

●今月のブログ

セミナー・レポート:8月17日(金)開催「AI時代の子供の人生を豊かにする、プログラミング教育のチカラ」~第10回 本とITを研究する会セミナー~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/08/23/135537

ディープブルーはなぜ勝ったのか?
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/08/16/210651

「ブラックボックス」のジレンマ ~AI時代に感性を磨く大切な意味~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/08/13/195014

AI自動運転に関する一つの提案 ~現代の産業革命を支える巨大な要素~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/08/03/173354

●今月の雑感:「本」とはなにか?

最近よく「「本」とはなにか?」という議論を耳にします。
デジタル社会で情報優位が高度化する中、ますます「本」という物体に人の目が向けられているのではないでしょうか。
近年アナログガジェットとしての文具が見直されているのも、この流れに近い感じがします。

そもそも「本」って、なんですか?
では、そもそも「本」って、なんでしょう?
これに答えられる人は少ないです。
たとえば、以下のように定義してみます。

・本とは、文章が紙で束ねられたもの。
・本とは、紙で束ねられた文章が商業流通しているものもの。
・本とは、紙で束ねられた文章で売買が成り立っているもの。
・本とは、印刷された物体。

逆に、以下のような反証もできるのではないでしょうか。

・本とは、文章が紙で束ねられたもの。
→束ねられていないと本ではないのか?
・本とは、紙で束ねられた文章が商業流通しているものもの。
→自費出版は本ではないのか?
・本とは、紙で束ねられた文章で売買が成り立っているもの。
→利益の出ていない本は本ではないのか?
・本とは、印刷された物体。
→電子書籍は本ではないのか?

物理的な定義や経済的な定義など、「本」は、さまざまな定義が可能なメディアです。池と沼の違いや、沼と湖の違い、腕と手首の違いを定義づけるほど、実に曖昧なものです。

さらに、トップダウン的な思考に切り替えると、本とは「大衆が認めたもの」「政治経済的な権力が認めたもの」「歴史が認めたもの」とも言えそうです。
一方、ボトムアップ的に考えると、本とは「人の手と心によって作られたもの」ともいえそうです。それでは、手とはなんだ(ロボットは手を持っている……)、心とはなんだ(AIは心を持ちつつあるし……)という議論も出てきそうです。しかしここでは、そこまで入りこみません。ロボットやAIが作った本もそろそろ出てきそうですが、現時点で私は、本を「人の手と心によって作られたもの」と定義したいです。
こうした疑問も、ロボットやAIが日常に入り込んできたいまだからこそ、私たちに突きつけられた大きな課題です。これは、かつては哲学者が議論していたような課題です。

人の手と心によって作られたもの
「人の手と心によって作られたもの」という枠組みで考えると、プログラミングやデザイン、ライティングというキーワードも浮かんできます。建築や工業製品、舞台芸術も同様です。成果物がコピペされたものか、自動生成されたものか、どこかから無意識のうちにコピーされてしまったものかという、「創造性」の話にもなります。では、どこからどこまでが創造的で、どこからどこまでが創造的でないのか、という議論にまで広がります。この点もまた機会を改めて考えていきたいです。

そんな問題意識から10月には、「人の手と心によって作られたもの」としての「本づくり」をテーマにした勉強会を予定しています。ロボットやAIの時代に再認識される「人の手と心によって作られたもの」を、考え、学び、気づき、発見を共有できたらと思っています。詳細は後日告知します。お楽しみに。

* * *

今後もさまざまな学びと問題解決の場を設けていきます。状況の変化は随時DoorkeeperやFacebookなどでお伝えしますので、ぜひチェックしていただけたら嬉しいです。

【本とITを研究する会 Doorkeeper】
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

夏の疲れが残る9月も、皆様の健やかな毎日をお祈りいたします!

本とITを研究する会 三津田治夫
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